定数12に13人が立候補 紀美野町議選始まる
任期満了に伴う紀美野町議選が16日に告示され、定数12に対して現職10人、新人3人の計13人が立候補し、前回と同じ1人超の構図で戦いの火ぶたが切られた。初日から、各候補は有権者の支持を求め、選挙カーでの街宣を中心に運動を展開。21日の投開票に向け、いまだ桜が残る山あいの町にお願いコールが響く。
立候補者は党派別に公明1人、共産2人、無所属10人で前回と同じ。午前8時半から町中央公民館で届け出の受け付けが始まり、各陣営の運動員らは手続きを済ませると、「七つ道具」を手に各選挙事務所に走った。
ほとんどの陣営が出陣式を行い、たすきを掛けた候補が集まった支持者らを前に第一声。抱負や政策を力強く訴え、声援を背に選挙カーに乗り込み、街宣へ出発した。
候補が乱立している毛原地区のある陣営は午前10時ごろから出陣式を行い、候補がマイクを握って力強くあいさつ。
各陣営の訴えは共通するものが多く、高齢者が住み慣れた住居で安心して暮らせるよう、食品の移動販売や交通弱者対策、獣害対策などの暮らしやすさの向上を目指す政策、移住促進のための子育て環境の整備などが挙げられている。
地区内の全候補が、地元の食堂が作る地域ならではの山菜を使った手作り弁当を利用するなど、各陣営の支持層のつながりも複雑で、約500世帯の集落の票がどう分かれるかは不透明だ。
町議選は、2006年の野上・美里2町合併後、4回目。当初の16議席から2回続けて2議席ずつ削減し、前々回は定数14に対し2人超過の激戦、前回と今回は定数12を1人超で争う展開となった。
古くからの人脈や交流を大切にする地域であり、人口減少に伴い、票田も縮小傾向にあることが選挙戦の難しさの一つ。移住者や子育て世代の関心をどう高めるか、11日に初めて開催された立候補者政策発表会などが選挙情勢にどのように影響するのかも注目される。
15日現在の有権者数は、男性3671人、女性4385人の計8056人。前回より約600人減少した票の奪い合いに13陣営がしのぎを削る。