和市議選ラストスパート 期日前は2万人超

21日に投票を迎える和歌山市議選の戦いは残り一日となり、45人の候補の舌戦にもますます力が入る。個人演説会、街頭演説、選挙カーでのお願いコール、自転車でのアピール、電話作戦などさまざまな方法を尽くして最後の票の上積みに全力を注いでいる。

ある現職陣営は「今回は準備する時間があまりなかった」と話す。今回は選挙前の定例市議会が閉会した3月20日から告示の4月14日までは24日間だが、前回(2015年)は3月18日から4月19日までの31日間あり、準備期間の短さから、選挙事務所の開設や告示前の活動を充実させられなかったという。

また、一般的には長く在任している議員には実績ができ、支持も安定する傾向があるが、近年の投票率の低下に比例するように、支援者の拡大は難しくなっている。前回上位で当選したベテランは、個人演説会で「投票率が低い中で『この人は当選するでしょ』と思われてしまうと票が流れてしまう。だから投票に行くよう呼び掛けてほしい」と訴えた。

一方、新人候補の戦い方は現職とは異なる。ある候補は自身の出身校の近くに事務所を構え、卒業生に向けてアピール。別の候補は自身が関係する医療関係者らを中心に訴えを展開している。子育てや教育に関する政策を重視する候補は、ファミリーの多い新興住宅地での街宣を強化するなど、ポイントを絞った活動に取り組む。選挙カーを持たない候補もいて、バイクで市内各地を走って街頭演説を繰り返す。

街宣や演説だけでなく、選挙カーを降りて自転車や歩いてのアピール、立礼で歩行者やドライバーに手を振るなどの地道な活動が最後まで欠かせない。

期日前投票は18日(4日目)現在で前回より9141人多い2万4520人が済ませている。投票率は前回が42・97%。上昇を予想する陣営は少ない中、会場が増設された期日前投票に、投票率を引き上げる効果は期待できるのか。

個人演説会で訴える候補

個人演説会で訴える候補