商業を通じ地域貢献 オークワが創立60周年

近畿・東海エリアに160店舗(2月現在)を展開するオークワは創立60周年を迎えた。「商業を通じて地域社会に貢献する」という企業信条のもと、地域密着を第一に「低価格・良品質・安全安心」を提供してきた。同社では「今後も時代のニーズに応じた便利さと買い物の楽しさを提供し、驚きと感動のある店舗づくりに努めていきたい」としている。

1938年に故・大桑勇氏が三重県熊野市に呉服反物商を創業。41年に三重県南牟婁郡入鹿村(現熊野市)板屋に、売り場面積18平方㍍の店舗をオープンし、59年に新宮市に県内初のスーパーマーケット「主婦の店新宮店」を開店。以降、紀南から和歌山市内、和歌山県全体に規模を拡大させてきた。

66年には店名を「オークワ」に変更。87年に大証二部、90年に大証一部、2001年に東証一部へ上場を果たした。

04年には、メッサガーデンパーク和歌山店の開店に合わせ、西日本で初となるセルフレジを導入するなど、業界において先進的な取り組みを進めてきた。

また、インターネットの普及や少子高齢化を見据え、06年に「ネットスーパーオークワ」を開始。1号店を大阪府和泉市の和泉小田店で展開し、国内最大の約1万5000点を取り扱い、実際に店内で買い物をした感覚になる「バーチャル店舗」は大きな話題となった。

牛乳パックや食品トレイなどの店頭回収、リサイクル活動など、CO2削減に向けた環境保全活動にも力を入れる。

さまざまな文化事業や社会貢献活動も実施してきた。創業者の大桑勇氏は93年に私財を投じて、財団法人大桑教育文化振興財団を設立。毎年約3500万円を奨学金や援助金、寄付金として社会に還元し、大学生の育英奨学金の支給や留学生に対する援助、学校などへの図書の寄贈やスポーツ振興援助など、累計総額は8億3400万円に上り、地域社会の発展に貢献してきた。

今後も「地域とともに歩み、地域とともに成長する」を理念に、常に進化するスーパーを目指す。

和歌山市の第1号店は1963年、屋形町に開店

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