福を分かち合い20年 文協茶道部の大福茶会

大きな茶わんで抹茶を味わう、和歌山文化協会茶道部(永岡一惠部長)主催の「大福茶会」が19日、ホテルアバローム紀の国(和歌山県和歌山市湊通丁北)で開かれ、大勢が豪快な一服を味わった。ことしで20回目の記念会。茶会を前に、会の安全と会員の技術向上・繁栄を願う祈祷(きとう)も行われた。

奈良の西大寺で行われる「大茶盛式」に着想を得て、和歌山でも「大きな茶わんで大きな福を」と始めた催し。毎年約200人が来場するという。

「福」の文字があしらわれた直径35㌢ほどの大茶わんを使い、部員たちが大きな茶せんや茶杓を用いてお点前を披露した。参加者は大きな器で1杯の茶を5人ほどで回し飲み。頭がすっぽり入るほどの大きな茶わんを持ち上げ、時折隣の人に支えてもらいながら味わう姿もあった。

同じ一つの器でたてた同じ味のお茶を、そこに集まった人が回し飲みをすることで、大きな福を分かち合うという意味合いも込められているという。

市内から訪れた70代の女性は「茶道具の大小の対比を楽しみながら、お点前を拝見しました。大きな福をいただきました」と笑顔で話していた。

茶会に先立ち、同施設内の神殿で行われた祈祷の神事には部員19人が参加した。茶わんや茶せん、茶杓が拝殿に供えられ、志磨神社の島束穂宮司が祝詞を奏上。永岡部長が玉串を奉てんし、20周年を迎えたことを報告し、今後の部のさらなる繁栄を祈願した。

永岡部長は「ことしで『成人式』を迎えました。魂を込めた福の茶わんなので、清めてから皆さんに味わっていただきたい。新しい時代の節目に、気持ちをあらためて茶道の心を次代に伝えていければと思います」と話していた。

大きな茶わんで味わう参加者

大きな茶わんで味わう参加者