起業を選択肢に 和商で魅力伝える講演会
「起業」を将来の選択肢の一つにしてもらおうと、和歌山県和歌山市砂川南の県立和歌山商業高校(愛須貴志校長)で5日、起業の面白さを伝える講演会が開かれた。
卒業後の進路として、進学や就職の他に起業の選択肢があることを伝え、自分の可能性を広げてもらおうと開催。
きのくに未来ビジネスセンター(同市寄合町)の岡京子社長が講師を担当した。ビジネス創造科の全学年873人に、起業と就職の違いを説明。クイズ形式で県内の企業数3万6296社のうち中小企業数が3万6270社(99・9%)であることを紹介し、起業に対する無関心者の割合が欧米先進国の30%台と比べて日本が77・3%(2012年)と際立っていることなどを、中小企業白書のグラフを使って話した。
また実際に和歌山で起業した和歌山城近くの人気カフェ「CUPS coffee and cupcakes」(同市藪ノ丁)の西山麻紀さん、クラウドファンディングで資金を調達し話題を集めた、電動バイクを製造・販売する「glafit㈱」(同市出島)の鳴海禎造さん、スーパーなどでインショップ形式の直売所として委託販売する東証マザーズ上場の「㈱農業総合研究所」(同市黒田)社長・及川智正さんの活躍ぶりを映像を通して紹介。
続いて高校生たちがビジネスプランを考えるプログラムなどを紹介した。
質疑応答でも生徒から活発な質問が飛び出し、講演会を聴いた櫻井大空(そら)さんは「自分のしたい事を追求し努力することで、起業という新しい道が開けることを知った」と話し、小松舞さんは「起業できる人は特別な人たちと思っていた。講演を聴いて必要なことは気持ちの強さだと知った。起業しなくても単に働くだけではなく目標を立て意欲を持って働くことが大切」、小嶋瞳維(めい)さんは「起業と聞くと単に営利目的のイメージがあったが、社会や地域を良くしようとする起業の方法が知れた」と話した。
岡さんは「話をするうちに生徒の皆さんの目がキラキラと輝いている様子が伝わってきた。一人でも多く、どのタイミングからでも自己実現できる人が増えるようになれば。そのときにこの講演会を思い出してくれたらうれしい」と若い世代の起業に期待を寄せていた。