あらぎ島と小阪 棚田カード第1弾を配布

棚田の魅力と保全活動の実態を知ってもらおうと、農林水産省が作成した「棚田カード」に、和歌山県内から有田川町清水地区の「あらぎ島」と那智勝浦町色川地区の「小阪」が選ばれた。現地近くの施設などで各1000枚を配布している。

厳しい耕作条件などを背景に棚田の保全が難しくなっていることから、同省は都道府県の担当者に呼び掛けてプロジェクトチームを立ち上げ、棚田地域を盛り上げ、活性化させる手段として棚田カードを作成した。

第1弾は31府県56地区。カードの表面は四季折々の美しい棚田の写真で、裏面には棚田の枚数(面積)や傾斜、作付け品種などの情報、棚田の歴史などを掲載している。

あらぎ島は、有田川が円を描くように蛇行して形成された扇状の河岸段丘に大小54枚の棚田が並んでおり、県内で唯一「日本の棚田百選」に認定され、国の重要文化的景観にもなっている。

小阪は那智の滝の西側に位置する自然豊かな地域で、過疎と高齢化のため一時は多くが休耕田となっていたが、地元有志らの活動で復田が進められてきた。

カードの配布場所は、あらぎ島が道の駅「あらぎの里」と清水温泉「あさぎり」、小阪は円満地公園オートキャンプ場と色川よろず屋。棚田の保全活動やイベントに参加した人にも配られる。

全国の棚田カードの情報は同省ウェブサイト「棚田に恋」(http://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/tanadani-koi.html)に掲載。

「あらぎ島」と「小阪」の棚田カード

「あらぎ島」と「小阪」の棚田カード