史上2位の3462万人 18年県内観光入込客数
2018年に県内を訪れた観光客総数は約3461万9000人(前年比2・6%増)で、史上最高だった16年に次ぐ過去2番目の入り込みだったことが和歌山県の観光客動態調査(確定値)で分かった。外国人宿泊客数は47万9163人(同0・7%増)と好調を維持し、世界遺産エリアの高野町、田辺市、新宮市で過去最高を記録した。
県によると、総数のうち、日帰り客は約2920万8000人(前年比2・2%増)、宿泊客は約541万1000人(同4・7%増)。
日帰り客は、熊野本宮大社創建2050年や西国三十三所草創1300年を記念した事業の実施、アドベンチャーワールドでのパンダの赤ちゃん誕生などで増加した。宿泊客は、白浜町や那智勝浦町で宿泊施設のリニューアル工事による休館の影響があったが、串本町で大型宿泊施設がオープンしたことなどから、全体では増加した。
「水の国、わかやま。」キャンペーンや「サイクリング王国わかやま」「わかやま歴史物語」など県内周遊を促進する取り組みの結果、これまで集客力が弱かった場所でも観光客の増加が見られた。
外国人宿泊者数を国・地域別でみると、1位は中国の23・6%、2位は香港の18・0%、3位は台湾の11・3%、4位は韓国の7・5%と続き、アジアが66・0%(前年69・6%)を占めた。
アジア市場は、9月の台風被害による団体ツアーのキャンセルや、相次ぐ自然災害による旅行控えの影響が見られたことに加え、加速する個人旅行化や訪問エリアの分散化などで関西を訪れる団体ツアーが減少したことにより、全体的に減少となった。
一方、欧米豪市場は前年比13・3%増と堅調で、シェアは29・6%(前年26・4%)と約3割まで拡大した。
19年は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録15周年を受け、和歌山・三重・奈良の3県が連携し、吉野・高野山・熊野・伊勢の四つの聖地を巡る旅のプロモーションを実施。和歌山独自の企画や県内での連泊を促すキャンペーンなどにより滞在時間の延長を図る他、各界の著名人による「高野山・熊野を愛する100人の会」(仮称)を結成し、魅力発信を目指す。
この他、日本遺産の活用、世界的メディアとの共同キャンペーンなどによるインバウンド誘客を進め、教育旅行誘致や受け入れ環境の整備などにも力を入れるとしている。