「周辺の風紀乱す」 海南でカジノ反対学習会

「『和歌山カジノ』に反対する海南の会」(池原庸夫、澤崎泰彦共同代表)はこのほど、和歌山県海南市船尾のスポーツセンターで学習会を開き、約70人の市民らはカジノが周辺地域に及ぼす影響などについて反対派の専門家の解説に耳を傾けた。

県が2024年の開業を目指して取り組みを進めるIR(統合型リゾート)誘致についての学習会。阪南大学流通学部の桜田照雄教授が講師を務め、「和歌山・海南カジノを考える」をテーマに話した。

桜田教授は2018年7月20日のカジノ法案「IR整備法」成立をきっかけにことし5月、フランスのカジノ事業主グループ・ルシアン・バリエールが和歌山市内で事務所を開設したことにふれ「マリーナシティにカジノができることが現実味を帯びてきた」と強調。同施設近隣の海南市で風紀が乱れたり依存症に陥る人が増えたりするなど、予想される問題点について言及しながら「公共の福祉に反する点が憲法違反である」とし、「人間社会をむしばむのがカジノだ」と話した。

澤崎代表は「マリーナシティ周辺には体操クラブの練習場や県立自然博物館、リハビリセンターなど、子どもの通う施設も多い。誘致により交通量が増加すれば、子育て環境が一変することも心配だ」と誘致反対運動の推進を呼び掛けていた。

解説する桜田教授

解説する桜田教授