逃げ遅れの救出訓練 高齢者等防火週間で
高齢者等防火推進週間(13~19日)を前に、和歌山市消防局は12日、介護老人保健施設「かまやま苑」(和田、塩崎梓施設長)で火災発生を想定した訓練を行い、同局と施設の自衛消防隊員が、初期消火から通報、避難誘導など一連の行動を確認した。
同施設は104人が入所し、67人の職員が勤務。訓練は、3階建ての施設1階の職員休憩所から出火したとの想定で実施し、中消防署の28人と自衛消防隊の5人が参加した。
煙が出ているのを確認した施設職員が事務所へ報告し、自衛消防隊員による消火器を使った初期消火活動、消防への通報、入所者への避難誘導を開始。消防署員が現場に到着すると、初期消火では消し止めることができず、職員と入所者7人の安否が確認されていないことが報告され、救出や消火活動が続けられた。
救出活動には高さ15㍍と35㍍まで届くはしご車2台が投入され、3階や屋上に取り残された人をゴンドラに乗せて地上に運んだ。けがや意識の異常がないかなどを確認し、応急処置も訓練した。
救出活動を終えた署員は、屋上やゴンドラからロープで降下。地上とはしご車から一斉放水し、訓練を終えた。
山下直樹消防局長は「一連の消防行動や必要な情報の提供ができていた。火災発生時はそれぞれがどう行動するかが非常に大事であり、今後も訓練を重ねることで備えてほしい」と講評。塩崎施設長は「普段から火を出さないよう気を付けているが、万が一のときにはきょうの訓練を生かしたい」と話していた。