智弁が木製バット使用 茨城国体で星稜と再戦

 29日に開幕する茨城国体の高校硬式野球1回戦で、対戦する智弁和歌山と星稜(石川)の両チームとも木製バットを使用する。大学や社会人、プロ野球の公式戦では木製バットを使うことから、選手の将来を見据えて智弁の中谷仁監督が提案し、星稜側も快諾した。国体で木製を使う選手はこれまでもいたが、事前に相談した上での両チームの使用は珍しいという。

 星稜とは今夏の甲子園の3回戦で対戦。相手のプロ注目右腕・奥川恭伸投手(3年)の前に、強力打線が3安打、23三振を喫しながらも、延長14回の熱闘を演じ、タイブレークの末、1―4で敗れた。国体では3年生も出場する見込み。智弁和歌山の綾原創太内野手(2年)は「夏にあれだけ悔しい思いをしたので自然と気合が入る。日本を代表する投手の奥川さんと対戦するのが楽しみ。優勝したい」と意気込む。

 智弁和歌山は普段から練習で木製や竹のバットを使用。星陵も練習で木製バットを使っているという。

 智弁和歌山の綾原内野手は「自分は入学してから打撃の際に折れたことはないが、練習中に折れることもある」と話し、「バットの芯でしっかり打たないと打球が飛ばない。飛距離も金属に比べて落ちる。(試合での使用)は正直不安がある」と明かす。木製を使っても金属に比べて飛距離が落ちない選手として、前主将の黒川史陽内野手(3年)を挙げ、「すごいなぁと思いながら見ていました」と語る。

 慶応義塾高(神奈川)から慶大に進み外野手としてプレーした塩健一郎部長は自身の現役時代を振り返り、「高校時代から練習で木製を使っていたので、大学に入ってもあまり違和感はなかった。木製と金属で打ち方が変わることは特にないのでは。智弁の選手たちも練習から木製を使っており、影響はないと思う」と話していた。

 茨城国体の高校硬式野球は10月2日までの4日間、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸で開かれる。

木製バットで打撃練習に励む智弁の黒川史陽選手(2018年3月)