甘くクリーミー ホワイトサポテ収穫ピーク

 和歌山県海南市下津町の橋爪道夫さん(69)は、約30年にわたり国内では珍しい南国の果物「ホワイトサポテ」を栽培している。甘みが強くクリーミーな食感が特長で、生産農家が少ないため希少価値が高い。橋爪さんの農園では現在収獲の最盛期を迎え、インターネットでの注文の対応に追われている。

 果実は横に切り目を入れて半分にすると大きな種があり、種を取り除き、果皮を厚めにむくか、スプーンで実をすくって食べる。

 ホワイトサポテはメキシコや中米を原産地とするミカン科の常緑高木果樹。ことしはこれまでで最高の豊作になり、台風19号の接近前に約500㌔を収穫したが、いまだ木々には果実が鈴なりになっており、さらに1000㌔の収穫高が予想されている。

 橋爪さんは県出身の農学博士、さまざまな熱帯フルーツの栽培実証研究を行っている米本仁巳さんの技術指導をきっかけに南国果樹の栽培を始めた。米本さんが行ったカリフォルニアでの栽培実習経験を基にアボカドやピーカンナッツなどの熱帯植物の栽培にも取り組んでおり、温暖化の進む近年の日本の環境に適しているという。

 現在はインターネット販売が中心で全国の根強いファンからの注文に応じているが、和歌山市や紀の川市内のカフェやジェラート専門店などから初秋のメニューにバリエーションが加えられる果物として引き合いがあり、今後は地元でも注目を浴びそうだ。

 「木になるアイスクリーム」と名付けた橋爪さんは「ふわっと柔らかくなったら冷蔵庫で冷やし、レモンを少し落とすととってもおいしいですよ」と多くの人にその魅惑的な味わいを楽しんでほしいと願っている。

 同農園でも購入でき、価格は果実の大きさによる。進物用は5個入り3200円(税込み)~。

 問い合わせは同農園(℡073・492・1169)。

鈴なりのホワイトサポテを手に橋爪さん