衰えたら免許返納検討を 高齢者の運転で講座
高齢ドライバーが関係する事故が増える中、高齢者と自動車の運転について考える公開講座が19日、和歌山県和歌山市紀三井寺の県立医科大学講堂で開かれた。警察官や自動車学校の指導員らが高齢ドライバーの運転の傾向などについて講演。パネルディスカッションも行われた。
県認知症疾患医療センターが主催。同大医学部神経精神医学教室の橋隼講師と県警運転免許課の廣海泰宏警部、塩屋自動車学校の山西篤彦指導員が講演した。
山西指導員は高齢者の運転について、「視力が低下し、見える範囲も狭くなる傾向があるが、自分が危ない運転をしていることに気付いていない人が多いのでは」と指摘。「自転車や歩行者の飛び出しに気付きにくくなる。しっかり顔を動かして歩行者や車がいないか確認することが大切。夜間は運転を控えるなど、昼間よりも慎重な運転を心掛けてほしい」と呼び掛けた。
廣海警部は、運転免許証を自主返納した人の過去の運転の経歴を証明する「運転経歴証明書」の申請が県内でも増えていることを紹介。現在は運転免許の有効期間に限り申請が可能となっているが、今後の法改正により、一定の条件を満たした場合は運転免許の失効から5年以内であれば申請が可能となることが予定されていると説明し、「いつかは体の機能が落ち、運転に支障が出るようになる。その時は運転をやめることも考えてほしい」と呼び掛けた。