未成年者の喫煙防止へ 関係機関が連携
本年度の和歌山県未成年者喫煙防止対策協議会(会長=加藤久博県たばこ商業協同組合)が20日、和歌山市内で開かれ、県や県・市教委、県警本部、たばこメーカーなど関係機関・団体の代表がそれぞれの取り組みについて述べた。
県たばこ商業協同組合の取り組みとしては、「未成年者には売らない、買わせない、吸わせない」をスローガンに販売店頭にポスターやポップで掲示したり、関係団体と連携して街頭でポケットティッシュを配布したりしていることなどを紹介。また、数年前に大阪府内でたばこを買いに来た少年に店員が刃物で脅された事例が発生したことを受け、販売拒否の仕方の研修もしていると述べた。
県教育庁学校教育局健康体育課の話では、たばこを吸い終わった後でも30~45分間は喫煙者の息や衣服に有害物質が残留するといわれる「サードハンドスモーク」(三次喫煙)の潜在的な危険性について、「学校の敷地外で吸ったとしても45分間は子どもに近づかせない、また服を着替えさせるなどを学校に周知している」とし、そのことにより子どもたちがたばこに接触する機会を減少させ、将来たばこを吸いたいという動機を減らすことにつながると述べた。
県環境生活部県民局青少年・男女共同参画課によるとSNS上でのネットパトロールも行っているとし、ことしは4月から10月末現在で32件の喫煙に関する情報をつかみ、教育委員会と連携し、各校を通じて直接指導を行っていると発表した。
日本たばこ産業㈱大阪支社リレーション推進部の垂石英大部長は「大変参考になった。未成年の喫煙は法律で禁止されている。われわれはメーカーとしてもそれには責任を持って取り組んでいかなければならないが、未成年者喫煙防止は社会全体で取り組んでいくべき課題だと思う」と述べた。