野球の楽しさ伝授 智弁球児が小学生に教室

 智弁学園和歌山高校野球部の選手らが学園の小学6年生に野球の楽しさや技術の基礎を伝える野球教室が、和歌山県和歌山市冬野の同校グラウンドで開かれた。小学生は甲子園で躍動した智弁球児の迫力あるプレーに熱視線を送り、「野球って面白い」「来年も教えて」と目を輝かせた。

 交流を通して野球部を身近に感じてもらおうと、昨年11月に初めて開き、今回が2回目。野球部の1~3年生約30人と小学6年生約80人が参加し、キャッチボールやノック、トス打撃などを通じて交流した。

 冒頭では、先日のプロ野球ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから4位指名を受けた東妻純平捕手(3年)が木製バットで打撃を披露。打席から約90㍍離れた外野のフェンスを軽々と越える本塁打を連発し、小学生からどよめきが起こった。

 キャッチボールでは、部員が正確に捕球するこつやボールの握り方などをアドバイス。黒木隆成投手(1年)は「グラブを自分の方に引きながら捕ると球の勢いに負けない」と伝え、わしづかみでボールを握っていた小学生に対し、「投げる時にパワーが逃げるので、指3本で握った方がいいよ」と助言。小学生はみるみる上達し、部員たちから「ナイスキャッチ」「うまい」と声を掛けられた。

 ノックの前には、部員たちがグラブを手に捕球や送球のこつを伝授。甲子園で一塁を守り安定感抜群の守備を見せた佐藤樹内野手(3年)は、ゴロのさばき方について「腰とグラブの位置を低く、投げる球は優しく」と手本を示した。小学生らは自分の左右に飛んできた鋭い球や前に転がったボテボテのゴロに素早く反応してグラブに収めると力強い送球を見せ、宮尾侑樹君(12)は「グラブの使い方をしっかり教えてもらったので、うまく捕れるようになった。野球って楽しいと思った」と笑顔。大仲勝海内野手(1年)は「うまい選手のプレーをよく見て真似することが上達への近道」と声を掛けた。

 部員たちは日頃、話す機会が少ない小学生との交流に充実感を覚えた様子で、東妻選手は「明るくてセンスのある子ばかり。野球の楽しさを思い出させてくれた」と振り返り、黒木選手は「子どもとふれ合うのは楽しい。自分で体を動かして野球の楽しさや難しさを感じてほしい」と話した。久保亮弥内野手(3年)は「動く球を捕ったり、投げたりするのは難しいけど野球の楽しさを知ってほしい。小学生と交流できてとても新鮮でした」と話していた。

ノックの打球を追う小学生