3年ぶり減の1503億円、和歌山市20年度予算案

和歌山県和歌山市は12日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・1%減の1503億1430万円で過去最大だった19年度を下回り、3年ぶりの減少。特別会計と公営企業会計を含めた総額は2・1%減の2893億183万円となる。市街地再開発事業や新市民図書館整備事業にめどが立ったことなどにより歳出は減り、企業の設備投資による市税の増収などで歳入一般財源は増加を見込む。19日開会の2月定例市議会に提案される。

20年度は、24年度までの5年間を実施期間とする「第2期市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のスタートの年。

市は、総合戦略の基本目標に掲げる「安定した雇用を生み出す産業が元気なまち」「住みたいと選ばれる魅力があふれるまち」「子供たちがいきいきと育つまち」「誰もが安心して住み続けられる持続可能なまち」の4点に沿って政策の重点化を図り、「成長の萌芽を絶やすことのないよう、『きらり輝く元気和歌山市』の実現に向けた予算編成を行った」としている。

【一般会計歳入】

市税などの自主財源の構成比は45・3%で、前年度(45・2%)とほぼ同じ。

市税は5億6000万円(1・0%)増の588億4000万円。雇用情勢の改善や企業の設備投資により、個人市民税や固定資産税が増加することなどが要因となっている。

繰入金などその他の自主財源は、税源不足が縮小し、貯金に当たる財政調整基金の繰入額が33億3000万円減ったことなどにより、25・9%減の93億円。同基金の残高は、20年度末で40億6000万円を見込む。

依存財源は、地方交付税と、償還が同税で措置される臨時財政対策債の合計が1・5%減の113億1000万円。借金に当たる市債発行額は、災害復旧を含む建設事業債の減少により、7・8%減の130億8000万円となる。

消費税率の引き上げにより、地方消費税交付金は15・9%増の81億円。国県支出金は、友田町や南海和歌山市駅前、汀丁での市街地再開発事業の終了などにより、7・9%減の415億1000万円となっている。

【一般会計歳出】

義務的経費は1・5%増の902億6000万円。うち扶助費は、障害者福祉サービス等給付費などの増加により1・7%増の472億1000万円。人件費は、20年度から導入される会計年度任用職員制度に伴う増加などで0・8%増の260億7000万円。市債の返済などに充てる公債費は、2・0%増の169億8000万円となっている。

投資的経費は30・9%(66億4000万円)の大幅減で148億2000万円。要因は、市街地再開発事業(45億7000万円)、新市民図書館整備事業(15億3000万円)、市立認定こども園整備事業(14億3000万円)のめどが立ったことによるもの。一方で、和歌山城ホール(新市民会館)整備事業(26億9000万円)、消防活動センター整備事業(11億4000万円)の大型投資もある。

【特別会計・公営企業会計】

特別会計は、国民健康保険事業や駐車場管理事業など15会計合わせて1・3%増の989億6259万円。国道42号和歌浦地区歩道整備事業の用地を先行取得するための「直轄事業用地先行取得事業特別会計」(6億2370万円)は新設となっている。

公営企業会計は2・7%減の400億2493万円。