地域課題の解決へ 信愛高生が研究発表会
和歌山信愛中学校・高校(和歌山県和歌山市屋形町、森田登志子校長)で12日、高校生による地域や世界の課題研究発表会が開かれた。同校は本年度、市町村や産業と協力して地域課題の解決などに取り組む高校を指定する文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の採択を受け、1、2年生がそれぞれ地域や世界の課題をテーマに4月から市町村や企業を訪れたり、インターンシップに参加したりして研究を深めてきた。この日は12月の発表会で評価の高かった16グループが発表した。
1年生は和歌山の地域課題について研究。医療問題を取り上げたグループは市内には大病院が多く、医師も足りているのに対し、紀南では診療所が多く、医師や設備が不足している現状を説明。ICT(情報通信技術)を使った遠隔医療の導入や、ドクターヘリにより救命率が上昇したことなど医療格差を解消する取り組みがあることを発表し、格差をたくさんの人が知ることで、できることから改善が進められるとした。
また、農業を調べたグループは県産ミカンの知名度を上げるため、家族で楽しめると人気の高い和歌山の温泉地とコラボレーションした温泉ミカンを提案。温泉卵のようにミカンをゆでることで皮がむきやすくなり、甘みが増したと報告。ユーモアあふれる提案に会場から笑いも起こった。
発表を聞いて産業能率大学入試企画部の渡邊道子さんは「研究と発表はさまざまな教科で学んだことの統合になったのでは。研究のために取り組んだことは今後いろいろなところで生きてくると思う」と評価した。