首相要請で臨時休校 共働き世帯等影響必至

新型コロナウイルスの感染防止策として安倍晋三首相が27日夕、全国の小中高校、特別支援学校を3月2日から臨時休校とするよう要請したことを受け、各自治体の教育委員会は対応を検討し、相次いで休校を決めた。共働き世帯などへの影響は必至とみられ、学校生活を締めくくる卒業式も中止が相次ぐ事態となったが、28日午後に急きょ、卒業式の実施に踏み切る高校もあった。

和歌山市は28日午前9時から、市役所で新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、学校関係の対応を発表。市立小中学校、義務教育学校、高校69校2分校(小50校1分校、中17校1分校、義1校、高1校)を3月2日から24日まで休校とし、卒業式や終業式などの行事は中止する。ただし、一部の学校で終了していない期末試験は実施し、高校入試の手続きなどで登校が必要な場合は学校から随時連絡する。

部活動は今月29日から中止し、各小学校区子どもセンターと土曜教室も中止。若竹学級(学童保育)は実施する。

市はさらに、政府の要請には含まれていない市立幼稚園13園についても、小学校に併設の園が多いことなどを理由に、3月2日から19日まで休園を決定。共働き家庭などへの影響を考え、保護者には意向を確認する。市立保育所は通常通り開所する。

尾花正啓市長は「和歌山市は比較的安全な地域だと思っていたので、全国一律の(休校の)要請には非常に驚いている」と述べ、共働きの世帯や学童保育を利用している家庭への影響を小さくすることが重要との認識を示した。

また尾花市長は、学童保育で一つの教室に多くの児童が集まると、通常の登校時より感染のリスクが高くなる恐れがあるとし、複数の教室の利用や教員の配置などにより、「できるだけ安全な環境で実施していきたい」と話した。

幼稚園の保護者についても、場合によっては子どもの預かりなどの対応を検討する考えを示した。

対策本部会議の後、臨時の市立園校長会が開かれ、市教委は各園校に臨時休業の方針を伝え、対応を求めた。

紀の川市も市立小中22校1分校の臨時休校を決めたが、卒業式は、最低限度の参加者にして予定通り実施する方針。

臨時休校の決定を受けて開かれた和歌山市立園校長会