県が策定 ギャンブル等依存症対策推進計画
和歌山県は「県ギャンブル等依存症対策推進計画」を策定した。2020~22年度の3年間を期間とし、ギャンブル依存症に関する県内の現状と課題に対し、基本的な考え方や、予防、相談、治療などの具体的な施策、協力体制の構築などを示している。
ギャンブルなどの依存症は、病的な状態であるとの意識が本人にない場合が多く、ギャンブルなどにのめり込む自身をコントロールできなくなり、多重債務を招き、自殺や犯罪にもつながるなど、日常生活や社会生活に深刻な問題を生じさせることに加え、家族などに対しても深刻な影響を招く場合があり、重大な社会問題といえる。
国は、2018年10月、ギャンブル等依存症対策基本法を施行し、対策を総合的、計画的に実施するため、19年4月には対策推進基本計画を策定。県でも、同法の基本理念に基づいて対策を推進するため、県の実情に即した対策推進計画の策定を進めていた。
計画に示された現状では、日本医療研究開発機構の調査結果により、過去1年以内にギャンブル等依存症が疑われる人は成人の0・8%(約70万人)、生涯を通じて疑われる人は3・6%(約320万人)と推計され、県内で依存症が疑われる人は過去1年以内が約6200人、生涯を通じてが約2万8000人。
県内の競輪場への入場者数は一日平均1162人(18年度)、パチンコ遊技人口は推計7万4100人(18年)。18年度には、県精神保健福祉センターや保健所で、依存症について47人の相談を受けているが、推計値からみて少なく、潜在的な依存症者の相談につなげることが必要となる。
課題の改善に向けた施策として、若年層の正しい理解を促進するための予防教育や、依存症チェックリスト掲載のリーフレットによる啓発、相談窓口の周知を進める他、治療・回復の支援、違法ギャンブルの取り締まりなどを行う。
計画の全文は県ホームページ(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040400/gyanburukeikakusakutei.html)に掲載している。