子どもに合わせた療育を 発達支援施設が開所

発達に悩みのある子どもたちの支援施設「スマイルウェル」が和歌山県和歌山市津秦にオープンした。代表で作業療法士の形部麻里さん(45)は「地域のお母さんや子どもが発達についてちょっと相談に来られる場所になれば。子どもの療育がお母さんのサポートになって、地域の支えにつながれば」と話している。

発達障害は、対人関係が苦手な自閉症スペクトラム障害、集中力が続かない、じっとできない注意欠如・多動性障害、簡単な計算や文章を読むのが難しい局所性学習障害に分類され、話すのが苦手だったり、姿勢が安定しなかったり、障害の程度は子どもによりさまざま。形部さんによると、発達障害を保護者と子どもが理解し、適切な対応をとることで引きこもりや精神疾患といった2次障害を抑えることができるという。

形部さんは鹿児島の専門学校で講師をしながら、精神科病院に勤務。病院には発達障害の子どもたちが入院することがあり、発達障害による2次障害を防ぎたいと夫の実家のある和歌山への転居を機に、施設を立ち上げ。3人の子どもが小さかった頃に受けた地域のサポートに恩返しをしたいという思いもあった。

同施設では、未就学児を対象に療育を実施。1時間のうちの30分間、作業療法士などの療育者と子どもが1対1でボール遊びや容器に物を入れる遊びなど子どもの特性に合わせた遊びを行い、15分間で他の子どもたちと活動して関係をつくる集団療育を行う。保護者は子どもの様子を見守ったり、療育者と活動内容や生活での困り事を相談したりできる。子どもには苦手なこともできるようになるとともに、得意なことを通して成功体験を重ね自信を持ってもらい、保護者には外で話しづらい発達のことについて話してもらいたいとしている。

開所は火曜日~土曜日。療育は午前9時、10時半、午後1時、2時半、4時に実施。現在は新型コロナウイルス感染症予防のため、受け入れ人数を制限している。問い合わせは同施設(℡073・460・9193)。

「気軽に相談に来て」と形部さん㊨らスタッフ

「気軽に相談に来て」と形部さん㊨らスタッフ