図書館生かしにぎわい創出 海南ノビノス⑥
3月末、住本和美館長とサブチーフの東野優子さんをはじめノビノスの運営スタッフは、貸し出し本に管理用のICタグを封入し、蔵書点検と分類作業を進めていた。児童図書館から引き継いだ本、下津図書館から移管した本、そして新しく購入した本は、合わせて約12万冊にのぼるという。新人スタッフも多く、本の貸し出し業務だけでなく、多目的室やホールなどの貸し出し業務や託児所との連携、そして自由度の高い空間ならではのルール作りなど、開館に向けて必要な作業もたくさんある。
ノビノスのコンセプトを聞いた住本館長は、図書館の開館と、機能を生かしてにぎわいを創出するという普通の図書館以上のことを求められていると思った。それは東野さんも同じで、これまで一般的な図書館で働いていた東野さんにとって楽しそうな図書館ではあったが、実現のために考えることがたくさんあるとプレッシャーにも感じていた。
開館準備のため、完成した建物に入ったのは2月ごろ。丸みのある独特な書架や入り口に入ってすぐ目に入るカラフルな内装、絵本の並ぶオープンな読書スペースと、ゆったりと本が読める閲覧室などこれまでにはない図書館ができていた。今は施設の生かし方について試行錯誤しているが、自由度の高い空間を生かして、利用者にとって楽しい場ができたらと期待する。
開館を目前に控え、住本館長は「ノビノスが人が集まる場所になって、地域にもっと人が来るようになって商店街までにぎわってくれたらと思う。昔のような活気が戻れば」、東野さんは「本以外のものもある施設。本が目的の人だけでなく、それ以外の人にも来てもらいたい。そして本を見てくれるとうれしい」と話していた。