夏へ可能性を信じて 慶風高は動画で練習継続

夏の全国高校野球選手権大会の中止を受け、学校関係者らは、やり切れない思いをにじませた。臨時休校で部活動の自粛が続く中、慶風高校(和歌山県紀美野町田、田原サヨ子校長)硬式野球部は、部員が動画で練習を監督に送りアドバイスをもらうリモート練習を実践してきた。築出義博監督は「(中止と知り)特に3年生はショックを受けていたが、『県高野連による地方大会開催の可能性を信じて練習を続ける』と言っている。学校再開のめども立ってきたので、変わらず指導していきたい」と前を向く。

同部は現在1~3年生の11人が所属。野球部員の大半が大阪から通っており、緊急事態宣言が発令された4月初旬からグラウンドでの練習ができなくなっている。築出監督は生徒に自主練習に取り組むようプログラムを指示し、4月下旬から無料通話アプリ「LINE」を使った練習を開始。部員はそれぞれ主将に練習動画と記録を送り、主将が築出監督に送信。個別に生徒にアドバイスを返信する。大阪は和歌山以上に人出が少なく、外出自粛の中で練習場所を確保するのが難しいのが現状という。

築出監督は「部員たちは『早くみんなで練習したい』という思いが大きい。練習動画は部員が元気にしているかの確認も兼ねている。やはりグラウンドでみんなそろってできた方がいい」と話し、コーチで同校卒業生の中西翔さん(18)は「部員にとっては通常の練習ができない状況が、野球ができるというありがたみを知る機会になっているのでは」と話していた。

野球部の活動の様子は同校インスタグラムでも公開している。

 

「練習と併せ部員の様子も確認」と築出監督