蘇りの地PRで誘客 観光復興へ県が計画
和歌山県は26日、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で県内を訪れる観光客の数が落ち込んでいることを受け、感染リスクを見ながら段階的に観光キャンペーン活動を展開し、観光客の誘致を目指すと発表した。
仁坂吉伸知事が同日の定例記者会見で発表した。仁坂知事は県内の観光産業について「壊滅的な打撃を受けている」との認識を示し、「大手のホテルも含め資金繰りは大変苦しく、とても困っている。救わないといけない。資金繰りショートで倒れるということがないようにしたい」と述べた。
キャンペーンは「蘇(よみがえ)りの地、わかやま」と題し、第1弾と第2弾を用意。第1弾はイベント開催や外出の自粛が解除された段階で実施し、県民に対して県内施設の利用促進や県内周遊を促す。県観光振興課によると、時期は6月1日以降を予定しており、助成措置の導入も検討しているという。
第2弾はコロナの流行に沈静化の見通しが立った段階で取り組む。全国の旅行会社やメディアに仁坂知事のメッセージを送付して和歌山をPRする他、メディア系旅行会社や交通機関などとのタイアップを行う。首都圏からの誘客を促進するため10月には都内で観光PR「“和みわかやま”東京レセプション2020」を開く予定だ。
訪日外国人観光客(インバウンド)については、同じく流行に沈静化の見通しが立った段階で、海外大手メディアやSNSを活用したグローバルメディアキャンペーンを展開したり、海外旅行博覧会や商談会に出展したりする。
仁坂知事は今後について「一気にV字回復できるとは思わないが、県内の良いところをどんどんPRしていきたい」と話し、6月の県議会にプロモーションの予算案を提出する意向を示した。