和歌山市が自主避難先を変更 感染防止対策で

風水害が多くなる季節を前に、和歌山市は28日から、災害時に市民の自主避難を受け入れる施設を、従来の支所・連絡所などから、指定避難所で広いスペースが確保できる小学校の体育館などに切り替えた。避難所が過密になり、新型コロナウイルスの感染リスクが高まることを防ぐため。災害の規模によっては、危険性が及ぶ地域の近隣など広域に避難所を開設し、分散して避難できる体制を整える。

尾花正啓市長が同日の定例記者会見で発表した。

台風の接近などにより気象警報が発令されたときなど、市が避難準備情報を発表する前から高齢者などが自主避難を希望する場合、市はこれまで、市内42カ所の支所・連絡所内の和室などを開放して受け入れてきたが、スペースに限りがあり、人数が増えればすぐに密集・密接の状況になってしまうため、自主避難の段階から、小中学校など市内103カ所の指定避難所の広い場所を提供する。

自主避難をする際は、市総合防災課(℡073・435・1199)に連絡した上で、指定避難所に移動する。

避難所の過密を防ぐため、自宅内の安全な場所にとどまることや、安全な親戚や知人宅に避難する方法も確認するよう呼び掛けている。

発生した災害の規模や被災状況などによっては、避難所内の人数が多くなりすぎないよう、危険性が及ぶ地域だけでなく、近隣地区などに可能な限り多くの避難所を開設し、避難者の分散を図る。

指定避難所での感染防止対策として、避難者が到着した際にチェック表を使って健康状態を確認する他、避難者同士の間隔を2㍍以上空けて誘導し、十分な換気を行い、注意喚起のチラシの掲示などを行う。

マスクや消毒液、体温計などの不足が続いているため、避難時にはできるだけ持参するよう協力を求める。

尾花市長は「災害にもコロナにも安全な体制をできるだけとっていきたい。感染収束は見通せないので、しばらくは続けることになる」と説明。大規模災害で避難者が増え、過密が避けられない事態については「どう備えるかすぐに答えは出ないが、しっかり検討しなければならない」と述べた。

 

自主避難先の変更を説明する尾花市長