対策強化へ専門家会議 医療関係者ら100人

和歌山県健康危機管理専門家会議と関係機関連絡会議が4日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれ、県内の医師や看護師、保健所職員ら医療関係者約100人が参加し、県による新型コロナウイルス感染症への対策や、症例に見られる特徴などの報告を聞き、今後の対策強化へ理解を深め合った。

和歌山県内で初めて感染者が確認された2月13日以来、県の対応を担ってきた福祉保健部の野㞍孝子技監が、「新型コロナウイルス感染症患者の県内発生と対応について」と題して報告した。

県内では湯浅町の済生会有田病院や休校中だった紀の川市立打田中学校などでクラスター(感染者集団)の発生があったが、今月3日、入院していた患者が全員退院し、陽性者が近畿で初めてゼロになった。

県が力を入れてきた取り組みについて野㞍技監は、感染者の濃厚接触者全員に対するPCR検査の実施、積極的な疫学調査などによる早期発見、介入に努めてきたことを挙げ、「(これまでの感染は)第1波なのかなと感じている。早期発見と介入には本当に力を入れるべき。引き続き対策を実施しながら、感染拡大防止に努めたい」と、第2波を見据えて取り組みを続けることを話した。

会議は冒頭のみが報道陣に公開され、新型コロナの治療に携わった医療関係者から治療経過や数値データなどの症例報告があった他、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫国際感染症センター長が「新型コロナウイルス感染症の診療」と題してウェブ講演を行った。

 

県内の感染状況について学ぶ出席者ら