最初の週末大盛況 市駅キーノ和歌山に活気
南海和歌山市駅の複合施設「キーノ和歌山」は6、7日、グランドオープンから最初の週末を迎え、施設内は飲食店などを中心に大盛況となった。天候に恵まれたこともあり、新しい和歌山の玄関口をいち早く体験しようと訪れた大勢の人々であふれ、和歌山市駅前に活気が戻った。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、商業棟と公益施設棟(市民図書館)の全面オープンは、当初の4月24日から今月5日に延期。市と南海電鉄が共同で進めてきた市駅活性化計画の中核施設であり、多くの市民や関係者が開業を待ちわびていた。
快晴の外出日和となった7日、商業棟2階のレストランフロア「キーノ・ザ・フードホール」をはじめ、施設内の飲食店は特に大にぎわい。ランチタイムには各店の前に行列ができ、周囲にもパンフレットや案内板を見ながら店を選ぶ人々があふれた。
スーパーマーケットやドラッグストアがある1階も買い物客が次々と訪れ、その他のフロアでも、入居店舗のスタッフが記念品を配るなど、開店をアピールする声が響いた。
キーノのライン公式アカウント登録者限定で配布した500円割引クーポンも、早々と定員の1000人に達し、終了。活気に満ちた週末となった。
レストランフロアを訪れた和歌山市楠見中の女性会社員(23)は「楽しみにしていたお店に食べに来ました。市駅にこんなに人が多いのを見るのは初めて」と話していた。
公益施設棟の市民図書館では、入り口でスタッフが来館者の検温を行い、手指の消毒への協力を呼び掛けていた。
指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱が運営し、旧図書館より開館時間は長くなり、年中無休、午前9時から午後9時までとなっている。
本に囲まれながらも開放的に造られた空間で、一般図書エリアの他、1階はカフェと書店を併設し、間隔を空けた座席でくつろぐ人の姿が見られた。
4階は、子どもが自由に遊び、多様な学びを体験できるスペースとし、地域子育て支援拠点施設も設置。屋上は人工芝を敷いた公園となっており、城下町や紀の川を見下ろす景色が楽しめる。
新型コロナの感染状況を見ながら、今後はイベントなども開催していく予定で、平日、週末を問わず市民らの憩いの場所となることが期待される。
初めて訪れた同市舟津町の女性会社員(49)は「すごく良い雰囲気の建物になっていてうれしい。ただ、図書館は静かであってほしいので、BGMがかかっているのは残念」と話していた。