新しい生活様式に合致 低温加熱式たばこ再注目

国の新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」が示され、外出を控える人が増えている中、たばこを吸わない家族がいる喫煙者からは、改めて「加熱式たばこ」を見直す動きが出てきている。とりわけ、低温加熱方式の商品は高温加熱方式のものに比べても独特の「焦げ臭さ」がなく、家庭内でのちょっとした気配りにつながっているという。

もともと紙巻きたばこを愛用していたという和歌山県和歌山市の会社員の男性(47)は、外出自粛を機に低温加熱式たばこに切り替えた。

低温加熱方式を選んだ理由としては、やはり家族への思いやりから。当初は吸い応えの軽さや、紙巻きたばこや高温加熱方式のように「一本吸ったら終わり」という、いわゆる〝吸った感〟が味わえずに物足りなかったが、これも新しい生活様式を受け入れられるよう「自分を変えるため」と割り切った。

もちろん、メリットも大きく、先述の男性は「臭いは全くしない。煙によって部屋の壁などが着色することもなさそうだし、これなら家の中でも吸える」と笑顔。家族の了承も得ているという。

加熱式たばこを取り扱う日本たばこ産業㈱(JT)の商品専用サイトには「火を用いず、たばこ葉を燃やさないという製品特徴から、燃焼によるタール・煙は発生しません」などと記されている。また、加熱式たばこは家族内はもちろん、非喫煙者と共存でき得る商品として、ことし4月に全面施行された改正健康増進法でも、飲食店での飲食をしながらの使用が認められている(加熱式たばこ専用喫煙室内のみ可能)。

低温加熱方式の商品のポスターが張られているたばこ専門店(和歌山市新中島の地酒蔵久太郎内)

低温加熱方式の商品のポスターが張られているたばこ専門店(和歌山市新中島の地酒蔵久太郎内)