お身代わり仏像 プラチナ大賞の最終審査へ

イノベーションによる新産業の創出やアイデアあふれる方策などにより、社会や地域の課題を解決している自治体や企業の取り組みを表彰する「第8回プラチナ大賞」で、和歌山県立博物館が和歌山工業高校や和歌山大学と連携して実施している「お身代わり仏像」のプロジェクトが、最終審査発表会に選出の14件に残った。最終審査は22日に行われ、県内から3件目となる受賞に期待が高まっている。

今回、県が応募したのは「高校生・大学生と創る『お身代わり仏像』Project~未来に伝える 和歌山の文化財~」。地域の宝である仏像などを盗難や災害の被害から守り、後世へと引き継いでいくため、3Dプリンターなどの最新技術を活用し、仏像レプリカを作製している取り組みで、「お身代わり仏像」として地域の寺社に奉納し、実物は県立博物館で保管することにより、文化財を保全し、地域住民の信仰の場を守っている。

先進的な取り組みとして評価は高まっており、昨年9月に日本で初開催された国際博物館会議(ICOM)京都大会でも紹介され、世界各国の研究者らの注目の的となった。

プラチナ大賞の最終審査発表会は22日に東京都内で行われ、プレゼンテーションと表彰の様子がインターネット(https://youtu.be/uiXB_2gOEoU)で中継される。県からは、博物館の伊東史朗館長、大河内智之主任学芸員が参加し、審査結果の発表には仁坂吉伸知事も出席する。

プラチナ大賞は、優れた取り組みをプラチナ社会のモデルとして紹介し、さらなる広がりへとつなげることを目的とする。主催はプラチナ大賞運営委員会(委員長=増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授)、プラチナ構想ネットワーク(会長=小宮山宏・㈱三菱総合研究所理事長)。

県内からは、第5回の審査委員特別賞に「有田川エコプロジェクト~官民協同による循環型で持続可能なまちづくり~」、第7回の大賞・経済産業大臣賞に「㈱リクルートと和歌山県有田市との2年間の取り組み」が選ばれている。

有田川町の下湯川観音堂の観音菩薩立像(左が実物、右がレプリカ=県立博物館提供)

有田川町の下湯川観音堂の観音菩薩立像(左が実物、右がレプリカ=県立博物館提供)