医療費抑制へ 東洋ライス「金芽米エキス」
東洋ライス㈱(銀座本社=東京都中央区、和歌山本社=和歌山県和歌山市黒田、雜賀慶二社長)は4日、東京都千代田区の東京會舘で、11月28日に日本食生活学会で発表した「我が国の医療費膨張と病人増加事由の究明と対策について」の研究の調査結果を報告。日本人は、玄米にしか含まれない栄養素の欠乏症に陥っていると指摘し、対策として開発した「金芽米エキス」を紹介した。
発表で、雜賀社長(86)は1960年代から国の医療費が上昇し、いまや約43兆円にまで膨張しており、財政危機を招くと指摘。
要因の一つとして、副食が年々豊かになってきたことに伴い、国民1人当たりの米の消費量の減少を挙げた。バランス良く栄養が摂取できているように思われるものの医療費の上昇が止まらない状況に、ビタミンB1を含んだ胚芽などを取り除いた過精白米を食べるようになったことが影響しているとの仮説を立てた。
糖尿病やその他の持病を抱える雜賀社長も過精白米を食していたが、同社が開発した「金芽米」を自ら常食することに取り組んだ。胚芽の基礎部と、胚乳(デンプン層の白米部分)とぬかの境界部にある、うま味層の亜糊粉層(ぬか層)からなる「金芽米」を2年近く食べ続けた後、糖尿病検査で数値が下がり、その他の病も治癒したことで、仮説から確信へと変わったという。
雜賀社長の健康状態の改善を受けて、さらに同社職員、県内の一般企業2社が協力して「金芽米」を常食に切り替えたところ、医療費が県平均の約半分に低減した結果が示された。
そこで雜賀社長は「医療・介護費を減らすには健康寿命を延ばすことが重要。私自身のように高齢でも元気に働いて納税ができることを目指す」とし、以前から研究を重ねてきた玄米の中にある栄養素が集中している、わずか1%の希少な部分のぬか層と胚乳の境界部および胚芽と胚乳の境界部の「未知の栄養素」を取り出した「金芽米エキス」の商品化に成功した。多くの玄米を食したのと同様の摂取量が得られる健康食品だという。
雜賀社長の発表に続き、リモート出演でがんを患った金芽米エキスのモニターが体験談を話し、金芽米を病院食で提供している東京医科大学病院栄養管理科の宮澤靖科長が発表。栄養による治療を行う観点から、無洗米による環境への配慮・栄養素の豊富さ・患者からの高評価―の3点を挙げ、栄養の専門家として金芽米エキスを「何も足していない商品」として同製品の素材の持つ力に期待を寄せた。
雜賀社長は「免疫力を高める商品として開発した金芽米エキスで、高齢者が元気に働ける社会を支える人を増やしていければ」と話した。
金芽米エキスは粉末状タイプで、ぬかのえぐみのない甘みがある無添加商品。1包3・5㌘で30包入り5100円(送料・税込み)。同社「金芽米・オンラインショップ」で販売。また、金芽米エキスを服用する前と後の医療費についてデータを収集する「医療費削減プロジェクト」を開始してモニターを募る。