高齢、基礎疾患で重症化 第3波の感染者

和歌山県は11日、11月末までの新型コロナウイルス感染者の分析結果を公表。11月以降の第3波では、肺炎以上の重症が感染者の半数以上を占め、基礎疾患があり、高齢になるほど重症化の割合が高いことが分かった。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「コロナは多彩な症状が出現する。これまでのウイルスの対応では大変難しい。感染予防対策の励行をお願いしたい」と呼び掛けた。

県の発表によると、感染者数は、第1波(2月~6月中旬)が63人、第2波(6月下旬~10月末)は212人、第3波(11月~)は177人。第3波ではクラスター(感染者集団)が複数発生。一日の新規感染者数が10人超の日が多くなり、最大は11月19日の15人だった。

第3波では肺炎以上の重症度者は20歳未満でゼロだが、20代で16%、30代で33%、40代で60%、50代で69%、60代で76%、70代で94%、80代で63%。40代以上の世代で半数以上に肺炎が認められ、特に60代以上では、酸素投与が必要な人が2割を超えるなど、重症者の割合が増加している。

年齢別では、第1波は50~60代が多かったが、第2波は20代以下が中心となり、第3波は全ての年齢層に拡大している。70代以上の割合は第1波では14・3%、第2波では7・5%だったが、第3波で17・5%に増加している。

糖尿病、脳血管疾患、高血圧、慢性肺疾患、心疾患の基礎疾患がある人は、肺炎を併発する割合が高かった。糖尿病の場合、4割近くが酸素投与以上の重症度で、高齢に加え、基礎疾患のある人は特に重症化のリスクが高いため注意が必要という。

11月以降の感染経路については、177人のうち、家族が48人、県外が33人、友人23人、職場19人などで、不明も24人あった。

野㞍技監は第3波の特徴として、感染者に占める高齢者の割合の大きさ、肺炎を併発する人の多さなどを挙げ「空気が乾燥しており、せきも出やすいことも関係しているのではないか」との見方を示した。県内の感染拡大状況について「全体としては陽性者の早期発見ができているが、特に中高年の感染者が増加し感染経路不明のケースも増えており、危機感をもっている。何とか感染の爆発を食い止めているが、予断を許さない状況」と強い危機感を示した。

第3波(11月)の感染者の重症度

第3波(11月)の感染者の重症度