市高2年ぶり選出、智弁は補欠 選抜高校野球

第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、阪神甲子園球場)の出場校選考委員会が29日に開かれ、有力視されていた市和歌山が順当に選ばれた。同校の選抜出場は、2勝を挙げて52年ぶりに8強入りした2019年以来2年ぶり、7回目。投打にプロ注目の選手を擁し、周囲の期待も大きく、大会での上位進出に期待がかかる。一方で、ライバル校の智弁和歌山は落選となり、和歌山県内2校の明暗が分かれた。

市和歌山は昨秋の県2次予選で智弁、和歌山東などを破り優勝。県1位で臨んだ近畿大会では、堅い守備と機動力を武器とする東播磨(兵庫2位)を初戦で2―1で破り、準々決勝では智弁との県勢対決を2―0で制した。準決勝では優勝した智弁学園(奈良2位)に1―4で敗れたが堂々の4強入りを果たした。

ことしのチームは昨夏の県独自大会のレギュラーのうち約半数が残り、経験値が高い。

エース・小園と捕手・松川のバッテリーはプロ注目。小園は最速152㌔の直球に加え変化球も多彩で、チームの信頼が厚い。近畿大会では22回を投げ1失点と圧巻の投球を披露した。小園と中学時代からバッテリーを組む松川が巧みなリードで小園の能力を引き出す。

打線も4番・松川を軸に上位から下位まで切れ目がなく、得点能力が高い。近畿大会後に台頭した新戦力もおり、楽しみは増すばかりだ。

29日は午後4時2分、同校に出場決定を告げる電話が入り、栂野作治校長が対応。グラウンドでは出場決定を聞いた選手たちの笑顔が弾けた。

 

出場決定を告げる電話を受ける栂野校長(市和歌山)