コロナで半減の65万人 年末年始県内観光客

2020年度の年末年始(12月30日~1月3日)に和歌山市や白浜町など和歌山県内の主要観光地7カ所を訪れた観光客数は65万180人で、調査を開始した1991年度以降の最高を記録した前年度に比べて54・7%の大幅な減少となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕著に現れた。

調査したのは、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同本宮町、白浜町、那智勝浦町、串本町。

各種イベントの中止に加え、国の「GoToトラベル」事業が調査期間の直前に全国一斉で停止となり、宿泊施設で予約のキャンセルが発生するなど、宿泊、日帰り客数ともに感染拡大の影響を大きく受けた。7カ所の合計で、宿泊客は前年度比46・3%減の5万6120人、日帰り客は同55・4%減の59万4060人。いずれも19年度まで3年連続の増加だったが、一転して半減した。

県北部より南部の観光地の減少幅がより大きく、最も落ち込んだ田辺市本宮町は80・1%(39万8950人)減、次いで那智勝浦町が62・5%(9万7700人)減。いずれも、熊野本宮大社、熊野那智大社での初詣の分散参拝の呼び掛けなども影響した。

落ち込みが最も小さかったのは高野町で、年越し行事の中止や降雪の影響も受けたが、24・6%(5190人)の減少にとどまった。

和歌山市は総数が35・4%(22万700人)減少し、日帰りは35・0%(21万3600人)減、宿泊は50・7%(7100人)減だった。

田辺市龍神村は53・8%(8300人)減、串本町は53・3%(2万1360人)減でともに50%を上回る減少。白浜町は総数で41・5%(3万3900人)減だが、日帰り客は25・0%減にとどまった。

新型コロナの影響が長期化し、春の行楽シーズンにかけての落ち込みも避けられないとみられる。国内でも始まったワクチン接種の広がりが感染状況をどの程度好転させるかが今後の焦点だが、観光面の回復がいつごろから見込めるかは依然として不透明な状況となっている。