プロに学ぶ舞台技術 高校生対象演劇研修

和歌山県内の高校演劇部員を対象にしたプロの専門家による演劇セミナーが12、13日に県民文化会館(和歌山市小松原通り)で開かれた。文化で元気な地域づくりを目指す県の文化振興事業の一つで、高校の演劇部員のスキルアップを図ることが目的。1980年から毎年行われ、昨年は新型コロナウイルス感染症拡大のため、中止に。ことしは、密を避け、人数を分散させた上での開催となった。

12日は、向陽、県和歌山、和歌山商業、星林、那賀、橋本、串本古座の7校から演劇部員と顧問の教諭ら、約60人が参加。公益社団法人日本照明家協会正会員で同協会1級技能者の桝見淳さんが講師を務めた。元星林高校の演劇部員で以前は劇団の主宰もしていた桝見さんは、音響や舞台監督など各セクションの仕事内容やポイントを詳しく説明。「よくよく考えていかないと本番で生かすことができない」と、どのような担当であっても、きちんと練り上げていくことが大切だと話し、生徒たちは真剣な表情でメモを取るなどしていた。

星林高校2年の山下玲さん(16)は「普段は役者ばかり注目されるが、舞台美術や照明など細かいところまで教えてくれた。いつもは各専門の先生がいる訳ではないので、詳しい話を聞け勉強になった」と話していた。

また、7月31日から県内で開かれる「第45回全国高校総合文化祭紀の国わかやま総文2021」に向けて、上演を支える側から学ぶという内容で、受付や進行などの各部門に分かれて仕事の確認や練習などを行った。

同文化祭の演劇部門は、開催県の和歌山を含む全国の高校12校が集まり、紀南文化会館(田辺市新屋敷町)で上演を行う。

 

桝見さんの話を聞く生徒たち