社員の健康守るために 二次診断受診推奨
企業で働く従業員が一次健康診断の結果を基に受診することができる「二次健康診断等給付」。2001年から始まった制度で、1年に1度、事業者の負担なく無料で受診することができる。社員の健康確保を図るためにも実施が推奨されている。
二次健康診断等給付は、労働安全衛生法に基づいて行われる定期健康診断等(一次健康診断)のうち、直近のもので脳や心臓疾患に関連する一定の項目(血圧・血中脂質・血糖検査・腹囲の検査またはBMIの測定)に異常の所見がある場合に受けることができる。また「異常なし」と診断された場合でも、事業場に選任されている産業医等が就業環境などを総合的に考慮し異常の所見を認めた場合には、産業医等の意見を優先して受診できる。
二次健康診断では一次健康診断の結果を基に脳卒中や心疾患について、主に頸・心臓エコーを行う。非侵襲性なので体への影響が少ないのが特徴で、心電図では分からない血管の内側や心臓の動き、弁の状態も分かる。
採血では空腹時の血中脂質検査と血糖値検査などを行う。保健師による保健指導では、食生活などの見直しや助言を個別に実施する。
このほど、県内で二次健康診断を積極的に推進する「いわくらクリニック」(橋本市、岩倉伸次院長)が、パッケージなどを手掛ける㈱オリロク和歌山営業所(和歌山市出島)を訪問して社員に実施した。
問診表を基に保健師が指導を行い、検査技師が頸・心臓エコーをしてデータを取り、岩倉院長ら医師が所見を書いて約1カ月で検査結果が分かるという流れ。検査は約30分ほどで終了するので体への負担も少ない。
担当者の溝上嘉章さんは「二次健康診断で自分の健康状態を把握してどう対処するかが大事。訪問で行いますのでコロナ禍でも安心してできます」と話している。
各事業所への訪問とともに土日の対応も可能。詳しくは溝上さん(℡090・5887・3473)。