ユダヤ教のコーシャ認証 九重雜賀が取得
日本酒と食酢を共に醸造する国内唯一の蔵元、㈱九重雜賀(和歌山県紀の川市桃山町元、雜賀俊光社長)は、同社の「雑賀吟醸赤酢」「雑賀純米大吟醸山田錦」「ノンアルコールリキュール雑賀柚Rock'n Yuzu」の3種類がコーシャ認証(ユダヤ教の戒律に基づく食規定)を取得したと発表した。世界的な安心・安全への信頼を獲得しブランド価値を高めるとともに、県内で最大の赤酢の生産量を誇る会社として、国内外での販路拡大を目指す。
同社は1908年に食酢の製造元として創業。34年には日本酒の製造を開始した。「おすしの発祥地」とされる県の地域的な背景と全国的にも、とても珍しいとされる日本酒と赤酢をともに醸す歴史的な背景を生かす。 すしに使う赤酢と、ともに楽しむ日本酒、食前食後にたしなむノンアルコールリキュールをより多くの人に安心して味わってもらおうとコーシャ認証の取得に動いた。
日本初の認定機関である「コーシャジャパン㈱」によると、コーシャフードはユダヤ教徒が食べてもよいとされる清浄な食品を指す。ユダヤ教の聖典には食べてもよい食品と食べてはいけない食品が記されており、コーシャ認証はそれに従った厳しい国際的基準にのっとっている。雜賀社長によると、コーシャはユダヤ教徒のみならず、欧米でも食に対する安全・安心への評価基準として取り入れられているという。
ことし2月からコーシャ認証の取得に向けた取り組みを始め、コーシャジャパンが同社を視察。原材料や製造工程、洗浄方法などの厳しい審査項目をクリアし、認証を受けた。コーシャ認証の取得は醸造所としては、県内で初めてとなり全国的にも少ないという。
雜賀社長は「取得により、多くの人においしいお酢を使ったおすしを食べてもらえればうれしい。またおすし文化をさらに伝えていければ」と話している。