書の上達を筆に願い 和歌浦天満宮で供養祭
和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)でこのほど、恒例の「筆供養祭」が行われた。
1年間で約1000本の使い終えた筆などが納められ、本殿と筆塚で、供養と感謝の祈りをささげた。
和歌浦地区の関係者や公民館の書道教室のメンバーら3人が出席。
漢学に長け、秀才といわれた平安時代の貴族、菅原道真公を祭っていることから、同宮で約30年にわたり行われている神事。
筆の柄が竹などの木材、穂先は鹿やウサギなどの動物の毛などでできていることから、動植物への供養、文字や学問上達の願いなどが込められている。
参加者らは本殿で順に玉串をささげ、筆塚の前で、納められた使用済みの筆などを火にくべてたき上げた。
書道教室で指導する杉谷睦生さん(76)は「神様に『上手になりますように。お願いします』と手を合わせた」と言い、小板宮司は「自分の愛用した筆に感謝し、祈りをささげたい」と話していた。