県内10陣営が出馬へ 衆院選きょう公示
第49回衆院選が19日に公示される。4日に発足したばかりの岸田文雄内閣は、自民・公明両党で政権維持に必要な過半数の議席獲得を目指し、野党は政権交代に向けて連携を深め、和歌山県内3小選挙区でも候補者調整による自民との対決の構図が固まった。各立候補予定者は街頭でのアピールなど前哨戦を繰り広げ、最後の準備に忙しい。31日の投開票に向けて12日間の政治決戦がいよいよ始まる。
2012年末から7年8カ月続き、憲政史上最長を記録した第2次安倍政権が新型コロナウイルス対応の真っただ中で終わり、後を継いだ菅政権も、与党内での求心力と支持率が低下し、約1年で退陣。新たに就任した岸田首相は、当初11月14日の投票が有力視されていた総選挙の日程を前倒しし、衆院解散から投票日まで17日間という戦後最短の日程で決戦に打って出た。
岸田内閣が安倍・菅両政権とのカラーの違いをどの程度発揮できるのか未知数の状態で突入した今回の選挙戦。与野党の訴えに有権者がどのような判断を下すか、注目される。
県内3小選挙区に立候補予定の顔ぶれは、和歌山1区が国民民主前職の岸本周平氏(65)、自民前職の門博文氏(56)、2区が自民前職の石田真敏氏(69)、立憲民主新人の藤井幹雄氏(60)、日本維新の会新人の所順子氏(72)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人の遠西愛美氏(37)、3区が自民前職の二階俊博氏(82)、共産新人の畑野良弘氏(61)、新党くにもり新人の本間奈々氏(52)、無所属新人の根来英樹氏(51)の各氏。
1区は、自民が議席獲得を悲願とする野党の牙城。過去3回にわたり国民の岸本氏と自民の門氏が争い、いずれも岸本氏が勝利しており、門氏は比例近畿ブロックでの復活当選に甘んじてきた。
今回が4回目の対決だが、一騎打ちとなりそうなのは初めて。これまで独自候補を立ててきた共産が野党共闘で擁立を見送り、維新も「野党の票が分散し、自民党を利する恐れがある」として擁立を断念したからだ。
前回(2017年10月)の岸本氏と門氏の得票差は約1万5000票。共産候補は約1万4000票を獲得し、今回は多くが岸本氏に流れるとの予想から、自民に苦しい構図とみる向きが強い。
2区は過去3回、石田氏が大差で制しており、今回も、他候補がどこまで追い上げられるかが焦点となりそうだ。
前回に続き4人での戦いが予想されるが、共産は擁立を見送り、立憲の藤井氏を支援。藤井氏は19年7月の参院選に野党統一候補として出馬しており、知名度は高まっている。維新は4回連続の候補擁立だが、所氏の出馬表明は今月にずれ込み、出遅れは否めない。NHK党の遠西氏は、ユー・チューブでの動画配信などで、子育て中の自身の活動や政見などを発信している。
小選挙区の立候補届け出は、県庁北別館2階で19日午前8時半~午後5時に受け付ける。各陣営は届け出の後、選挙事務所などで出陣式、第一声を上げる。