国政決戦あと一日 各陣営支持拡大に懸命

衆院選は31日の投開票まで残りあと一日。和歌山県内3小選挙区では計10人の候補が支持拡大へ懸命の訴えを続けてきた。新型コロナウイルス対策や、甚大な影響を受けている経済、国民生活の回復など重要な政治課題に取り組む県民の代表は誰になるのか。本紙エリアの和歌山1・2区各候補のこれまでの戦いを追った。

【1区】

和歌山1区は国民民主前職・岸本周平候補(65)と自民前職・門博文候補(56)の一騎打ち。2人の対決は4回目で、過去3回はいずれも岸本氏が勝利。共産が野党共闘で独自候補擁立を見送り、共産票の多くが岸本氏に入るとの予想から、両陣営とも、2人の差はこれまで以上に大きいと見て選挙戦に臨んできた。

門陣営は、六十谷水管橋崩落への対応を訴えの中心としてきた。門氏と公明議員ら連立与党の連携により早期の仮復旧実現、本復旧に向けて新たな国の支援策を引き出せたとし、陣営幹部は「政権与党の国会議員の果たすべき役割を、より多くの有権者に理解をいただいている」と手応えを話す。

岸本陣営は、過去3回を「逆転勝利」と位置付け、「追い駆けられる選挙は初めての経験」と話す。それでも活動スタイルは変わらず、自転車での遊説、拡声器が使えない早朝と夜は交差点などでの辻立ちを続け、今回も街頭を主戦場としてきた。「ビラを受け取ってくれる人が増えた」と感じている。

和歌山1区・岸本候補㊧と門候補

和歌山1区・岸本候補㊧と門候補

 

【2区】

和歌山2区は、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人・遠西愛美候補(37)、自民前職・石田真敏候補(69)、立憲民主新人・藤井幹雄候補(60)、日本維新の会新人・所順子候補(72)の4人が立候補。過去3回を大差で制した石田氏の厚い地盤の前に、他の3候補は苦しい戦いとなっている。

遠西候補はSNSを中心とした独自の選挙活動を展開。前半は、自らポスター貼りで回った各地をツイッターなどで発信。中盤からはユー・チューブを使い、自身が代表を務める政治団体「女性議員50%を目指す党」の男女参画社会についての勉強会や、有権者の困り事の募集などを行ってきた。

石田陣営は、密を避けるため大規模な集会は行わず、各地域を細かく回り、街宣や街頭演説で支持の拡大を図る手堅い選挙戦を展開してきた。陣営幹部は、有権者からの反応は良いとしつつも、「コロナ禍での活動は難しく、広がりが見えにくいのが気になる。さらに気を引き締めたい」と話す。

藤井陣営は、選挙区内をいかに細かく回るかを重視。後半戦はスポット演説を増やし、有権者に直接顔を見てもらい、声を届ける活動を展開した。トライアスロンで鍛えた体を生かした自転車遊説は、走行距離が80㌔近くになる日もある。「挑戦者として挑む選挙戦だが、手応えを感じている」。

所候補は、高野町議を5期務め、同町内での知名度は高いものの、他の地域での浸透が課題で、地道な街宣を続けてきた。地方の活性化が優先課題と考え、そのために男女共同参画の推進、多様な人材が活躍する社会環境の整備が大切と訴える。最後まで有権者との対話の機会づくりを重視する。

和歌山2区・各候補のポスター

和歌山2区・各候補のポスター