断水アンケート実施 市民有志が意見交換
和歌山市の六十谷橋水管橋崩落に伴う断水アンケートを企画した市民の有志が、この問題に関心を寄せる県外の人たちとオンラインで意見交換を行った。紀の川以北の大規模断水で可視化された課題を官民で共有し、次の災害に備えるべく多方面から模索する。
アンケートを実施したのは同市の長谷川萌子さんと益谷愛さん。今回の断水について、より多くの人の声を聞こうと「断水の経験に関する市民の声を集めるアンケート」を10月12日からウェブで開始。10月末までに202人から回答を得た。
いったん、まとめられた内容では、現状、正確な情報が分からない▽地域間のつながりの格差があった▽生活用水の確保が難しかった▽ライフラインの複線化が必要――など多種多様な課題が挙がった。
長谷川さんは「行政との課題共有を目指してきたが、『公助』だけでなく、『自助』、『共助』も重要」と実感。市民間で防災を考える機会にもなると、データ化したアンケートを基に、断水を経験した外国人や防災の専門家などと話し合いを重ねてきた。
この日は、東京、三重、広島など県外の人らとビデオ通話をつなぎ防災についての意見を交わした。参加者からは、防災無線の有効活用例や独自のローリングストック(常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法)のやり方などが提案された。
長谷川さんたちは結果をまとめ、11月末ごろ同市に提供する予定だという。