紀の川市ダブル選28日告示 市長は一騎打ちか
任期満了に伴う和歌山県の紀の川市長と市議選(12月5日投開票)のダブル選挙が28日、告示される。市長選は5選を目指す現職・中村愼司氏(79)と新人で元紀の川市議の森田幾久氏(54)が立候補の準備を進めており、一騎打ちとなる見通し。2009年11月以来の選挙戦となりそうだ。一方の市議選は前回より2減の定数20に対し現職18人、新人3人の計21人が立候補を表明。1人超過の選挙戦が予想される。
市長選においては中村氏が6月議会で「関西国際空港と京奈和自動道を結ぶ道路の実現など重要な事業があり、これからも取り組んでいかなければならない。一生懸命頑張りたい」と5選を目指す意向を表明。紀の川インターチェンジと関西国際空港を結ぶ自動車道(京奈和関空連絡道路)の実現や小中学校の給食費無償化、市道の修繕工事予算の倍増、地域振興券の配布などの経済支援を政策に掲げる。
一方の森田氏は7月2日に「コロナ禍での特別定額給付金の支給が遅れるなど、行政サービスがスムーズにいっていない。このままじゃあかん」と出馬を表明。「暮らし」「改革」「未来」に重点を置く方針を掲げる。熊取バスを貴志川へ延伸する幹線バスの充実や遊休農地の整備、女性の活躍推進、小中一貫校を設立した教育レベルの向上、ITを活用した若者の企業支援、京奈和自動車道の4車線化を推進したいとの考えを示している。
選挙戦では中村氏の4期16年の市政運営への評価や人口減少対策、新型コロナ対策や経済再生策などが争点となりそうだ。
市議選では2日に立候補予定者説明会が開かれ、現職18人の他、新人3人が出席し選挙戦への突入が濃厚。ベテランの現職や30代の若手の新人、引退する父親の後を継ぐ新人などさまざまな顔ぶれが並び、各陣営活発な動きを見せる。
前回(2017年)の投票率は過去最低の54・72%。各候補者の訴えを有権者にどこまで身近に感じてもらえるか、浸透させられるかが注目となる。
市選挙管理委員会はこのほど、街頭演説で使用する標旗や腕章など立候補者に交付する「七つ道具」を点検し、仕分け。市内276カ所にポスター掲示板を設置し、本番に備えている。
立候補の届け出は28日午前8時半から午後5時まで市役所で受け付け。期日前投票は市役所など市内5カ所で午前8時半から午後8時まで実施する。10月18日現在の選挙人名簿登録者数は5万2104人(男2万4522人、女2万7582人)。