矢渡茜選手が代表入り アーチェリーU‐20

県立和歌山高校(和歌山市新庄)の2年生、矢渡茜選手(17)がこのほど、東京オリンピック開催会場の「夢の島公園アーチェリー場」で開かれた「2022年ナショナルチーム選考会」に出場。最終順位で4位に入り、U‐20(20歳以下)ナショナルチーム入りを果たした。矢渡選手は、高校最後の年となる来年に向けて、「みんなを引っ張っていけるだけの実力をつけていきたい」と意気込んでいる。

同選考会は「ナショナルチーム(男女各16人)」、「U‐20ナショナルチーム(同4人)」、「U‐17ナショナルチーム(同)」の三つのカテゴリーで行われ、矢渡選手はU‐20のカテゴリーに出場。当日は風の方向や強弱がめまぐるしく変わる難しい環境の中、同カテゴリーの出場者ら8人が、70㍍144本の合計得点を競った。

矢渡選手は前半を305点、300点の計605点で終え、体力や集中力が低下することから一般的に得点が下がることが多いといわれる後半は299点、318点の計617点と、終盤に高得点をたたき出して順位を上げ、6位で競技を終えた。翌日、同カテゴリーの上位2選手がナショナルチームに選考されたため、最終順位が4位に繰り上がり、U‐20ナショナルチームに選ばれた。

矢渡選手は、今回U‐20のカテゴリーに入ったことで、5年連続して全日本アーチェリー連盟の強化指定選手に、3年連続でナショナルチームに入っている。

矢渡選手は同選考会について、「U‐20に入るつもりで行ったけど、正直自信がなかった」と振り返り、「最後に力を出し切って入れたので安心した」とにっこり。

中学1年の時から矢渡選手を指導している、同校アーチェリー部の森毅顧問(44)は、「久しぶりの遠征で前日の移動の疲れなども出ていて、調子がそこまで良くなかった」と分析した上で、後半に臨む矢渡選手に「自分に集中して、リズムだけを考えて打て」とアドバイス。

矢渡選手は、後半の高得点につながった転機について、森顧問が翌日県内での試合が控えていた自身に向けて放った「明日の練習と思って打てよ」との言葉だったと笑う。「『明日じゃなくて今出すわ』と正直イラっとして、気持ちを切り替えて打ったら高得点が出た」と言う矢渡選手に対し、「気持ちの切り替えがうまく、本番に強い。大事な時に結果を出してくれる」と森顧問は信頼を置く。

二人三脚も来年まで。高校最後の年となる来年、矢渡選手は「部活全体で頑張っていきたい」と意気込み、森顧問は「U‐20に入れたのでパリ五輪も見えてきた。来年はナショナルチームに入れるよう頑張ってもらいたい」と熱いエールを送った。

 

二人三脚で新たな目標に挑む矢渡選手と森顧問㊧