和歌山が2度目の優勝 剣道・都道府県対抗
剣道の第69回全日本都道府県対抗優勝大会は26日、和歌山市手平の和歌山ビッグホエールで行われ、県代表チームが6年ぶり2度目の優勝を飾った。地元開催でつかんだ頂点。優秀選手に大将の山本尚(56、和歌山酸素㈱)が選ばれ、奥地慎監督(51)は「チーム一丸となって挑めた。とにかく一戦一戦を大事に、信頼し合い、次につなぐ試合ができたことが勝因」と喜んだ。
新型コロナウイルス感染症の影響で、前回大会は中止となり2年ぶりの開催。例年は主に大阪で行われていたが、コロナの影響を受けて4月の開催が延期となり、会場を選定する中で交通アクセスの良さなどから、初めて和歌山での実施が決まった。
高校生や大学生、教職員、警察職員ら男子7人でチームを編成。47都道府県の代表チームによるトーナメント方式で、感染症対策を徹底し、無観客で行われた。
和歌山は不戦勝で2回戦からの出場。初戦は、石川を破って勝ち上がった優勝候補の東京との対戦となった。
両者譲らず1―1のまま代表戦に突入。大将の山本(七段)が、八段の強豪選手を相手に決着をつけた。普段練習し慣れた会場ということもあってか、山本は「試合では意外と冷静だった。相手選手と身長差があったため、これはドウしかないと機会をうかがっていた」といい、狙い通りメンを誘ってドウを決めた。
今大会注目の東京に勝利したことでチームに勢いが生まれ、徳島に3―0、来年の国体開催県で強化が進む栃木に2―1、準決勝は福岡に2―1と、粘り強く勝ち進んだ。
迎えた熊本との決勝では、先鋒の佐々木健太(和歌山東高3年)が引き分け。次鋒の松下聖(東海大4年)がメンの2本勝ちを決め、小幡佳大(NTT西日本)、小川泰伸(県教育委員会)、続く小倉健志(和歌山県警)も、全日本剣道選手権で優勝経験のある相手と引き分けるなど、一進一退の攻防が続いたが、副将の吉田真佐義(トールエクスプレスジャパン㈱)がメンで1本勝ち。2―1で優勝を決めた。
優秀選手に選ばれた山本は、東京、福岡戦の勝敗を決する重要な場面で、強豪選手を相手に1本勝ちの活躍が光った。「まさか賞をもらえるとは思わず、名前を呼ばれた時は驚いた」と喜び、「大きな壁だった東京に勝ったことで弾みがつき、常に挑戦者の思いで、良い雰囲気の中、試合ができた。一人ひとり自分の仕事ができたことが優勝につながったと思う」と話した。
【県代表チーム】監督=奥地慎▽選手=佐々木健太(先鋒)、松下聖(次鋒)、小幡佳大(5将)、小川泰伸(中堅)、小倉健志(3将)、吉田真佐義(副将)、山本尚(大将)