火災の鑑定調査支援等 那賀消防と近大が協定
那賀消防組合(和歌山県岩出市)と近畿大学生物理工学部(紀の川市西三谷)は1日、災害時の支援に関する協定を締結した。連携し同大の施設や人材、分析機器を効果的に活用することで消防業務を迅速的確に行う。
同大は産学官連携を掲げ、地域貢献のための研究推進や成果活用、人材育成による社会還元などに積極的に取り組んでいる。学生消防団を結成するなど学生の地域防災への貢献意識も高く、地域における防災面での存在意義がさらに向上するとして、消防組合との協定を結んだ。
協定により、消火、救助、救護の支援活動として、大規模災害時には大学のマンパワーを活用。後方支援活動として、同学部の京奈和自動車に近く、土砂災害リスクの低い立地の有効性を生かして、大学施設を「緊急消防援助隊宿営地」として登録し、自然災害で被災した地域住民の避難支援を行う。
鑑定支援活動として、管内で発生した火災や事故の原因を調査するために同学部の分析機器を鑑定に活用して専門的見地からの助言を行う。その他、消防業務の質を向上させるために同学部の知見や技術を提供する。
協定の締結式は岩出市中迫の那賀消防組合消防本部で行われ、西岡孝芳消防長と近畿大学生物理工学部の梶山慎一郎学部長が署名した。
西岡消防長は「いつ来るか分からない大規模災害への対応力を向上させ、多方面にわたる行政サービスを向上させるかの諸課題が急務だった。協定締結は、基本方針である災害に強い、市民が安心・安全に暮らせるまちづくりにつながる」、梶山学部長は「今までの関係をさらに深めて平時での協力できる内容となった。締結ができたことは大変ありがたく、大きな意義がある」と話した。