紀の川市長選 候補者2人の横顔を紹介

届け出順

 

森田幾久候補(54)
無新

鍛えた脚力武器に

旧粉河町議2期、市町村合併後の市議を4期務めた。やりがいはあった。だが、感じたのは、一議員ではできない政策を決めて実行できる首長との差だった。「リーダーにならないと大好きな故郷を変えられない」。

大学を卒業後、入社した建築会社などでは営業一筋で仕事に励んだ。「歩き回る仕事が体にしみついた」ことで、現場主義をモットーに議員時代は課題に向き合ったという。

遊休農地の整備支援による農業の振興、校区外の子どもも通える小中一貫校の設立など、市政の変革を目指す。地域を丹念に回り続け、市民の声を聞いた中で出た政策でもある。

意思は曲げない性格。一日2箱ほど吸っていたたばこは値上がりを機にやめた。「吸ったつもり」でためた500円玉で入手した一眼レフカメラで高野山の龍神スカイラインの氷柱を撮影。「めったに遭遇しない光景を収められた」とはしゃぐ。

前回の選挙戦は一日約2万歩を実践して半年で8㌔減量した。「正月で2㌔戻った」と笑うが鍛えた脚力は健在。今回の選挙でも大きな武器として活用する。

岸本健候補(51)
無新

みんなの声を聞く

元衆院議員の故岸本光造氏が父親とあって「政治は身近にあった」。父親の著書を読み返すと、父親が地域のために奔走し、汗を流していた様子がよく分かるという。そのたびに「みんなのために頑張らないといけない」との思いを強くする。

政治家を志したのは父が亡くなった時だった。衆院議員、県議を経験する中で、もう一人の理想のリーダーに出会う。

1月に亡くなった中村愼司前市長であり、前回の市長選では選対本部長も務めた。「健。お前、次いけよ」。生前の中村前市長から言われ、遺族からも今回の立候補を促されたという。「頑張らないとだめだ」。即座に前市長の遺志を引き継ごうと決めた。

前市長の政策で悲願でもあった「京奈和関空連絡道路」の実現を目指す。京都、奈良、関空と近くなることは発展を促す好機と信じる。農学部を持つ大学の誘致や市道の修繕工事予算の倍増も掲げる。

「みんなの声を聞く」がモットー。元来の我慢強い性格で市民の声に耳を傾け続ける。サウナやサイクリングで息抜きもしながら、掲げた政策の優先順位をじっくり見極める。