水軒堤防の桜に名札 雑賀小児童が手作り
和歌山市西浜の国史跡「水軒堤防」沿いにある桜の木に、地域の雑賀小学校4年生31人が制作した色鮮やかな桜のネームプレート(名札)が掛けられ、間もなく満開を迎える桜と共に訪れた人を出迎えている。
水軒堤防の桜は、同地で松の植樹や清掃などに取り組む「水軒の浜に松を植える会」(現水軒堤防公園サポートクラブ)が訪れた人に楽しんでもらおうと2009年から5年ほどかけ植樹。現在はタイリョウザクラを中心にジンダイアケボノ、ベニバナの3種類、合計100本以上が並ぶ桜の名所になっている。
今回寄贈したのは各品種名を書いたオリジナルの名札31枚。4年4組の児童が1人1枚ずつ制作した。文字が目立つように工夫し、中には桜の花びらのイラストが描かれたかわいらしいものもある。
児童らが総合学習の授業で水軒堤防を訪れた際、同サポートクラブの奥津尚宏会長(79)が名札の制作を依頼。昨年11月から作り始め、今月9日に完成した名札を木に取り付けた。今後は品種について解説した看板4枚も作り、設置する予定だという。
これを機に同サポートクラブが主催する同地の清掃活動(第2、4土曜)に参加し始めた児童もいる。毎回参加しメンバーと共にごみや松葉を拾い集める作業に汗を流すという廣畑來夏さん(こなつ)と島村奈依(なえ)さんは「名札をきっかけに水軒堤防にも興味を持つようになった。実際に清掃活動をやってみるとごみが多く、地元のきれいな場所を保つためにこれからも続けていきたいと思っている」と笑顔。
奥津会長は「すてきな名札を作ってくれうれしく思う」と感謝し「国の史跡で守っていかなければいけない場所。この活動を次の世代につなげていければ」と話していた。
水軒堤防の桜は、現在咲いているタイリョウザクラが終わると、ジンダイアケボノ、ベニバナの順に咲き、4月下旬ごろまで楽しめるという。