外国人留学生の入国を円滑に 博物館法改正質疑で県の事例評価
先日「和歌山県誕生150年記念式典」が行われ、私も出席し、ごあいさつさせていただきました。和歌山県は、明治4年(1871)7月の廃藩置県により設置された和歌山・田辺・新宮の3県が同年11月22日に統合されたことをもって誕生し、昨年150年の佳節を迎えました。この11月22日の和歌山県の誕生日は、ふるさと和歌山を愛する心を育んでいこうと平成元年に、条例で「ふるさと誕生日」に制定されています。先人が築いてくださった歴史を後世に伝え、さらなる和歌山の発展を目指してまいります。
3月2日の衆議院文部科学委員会で、新型コロナウイルスの水際対策により、入国待ちの留学生約15万人を含む全体で約40万7000人ともいわれている入国待機者がいるなかで、一日当たり5000人に緩和した入国者上限について、外国人留学生を「別枠」として受け入れるよう検討の加速を訴えました。
その翌日、3月3日、岸田総理が記者会見の席上、「多くの留学生が4月の新学期を迎え、希望どおり入国できるかどうか不安に感じておられます。新型コロナにより、この2年間、15万人の留学生が、来日を心待ちにしている状況です。わが国の『宝』ともいえる留学生が国民の安心を保ちつつ、円滑に入国できるよう、『留学生円滑入国スキーム』を設け、ビジネス客が比較的少ない平日を中心に、空席を活用して優先的に入国できるように支援します」と述べられました。
3月以降の留学生の入国状況を入管庁で調べると約1万3000人の留学生の方が入国されており、今回の『留学生円滑入国スキーム』の申請数は187件となっています。今後、中国からの入国は、席が確保できない状況も予想されることもあり、3月29日からは、中国系の航空会社4社とネパール航空も参画されましたので、このスキームを使って席を確保する方が増えてくると思われます。
また、3月23日「文部科学委員会」にて博物館法の一部を改正する法律案について質問させていただきました。私が参議院議員のとき、2008年6月の参議院文教科学委員会で「国際博物館会議(ICOM)の世界大会を誘致し日本で開催すべき」と提案し、2019年に京都大会開催が実現しました。その大会において「多様な博物館同士が互いに連携協力し、地域や社会の課題解決を図っていこうという新しいコンセプト」、すなわち「文化をつなぐミュージアム」の理念の徹底が議論、採択されました。この議論が今回の改正の「地域の多様な主体との連携協力による地域の活力の向上への寄与に努める規定」としっかり反映されました。
さらに質問のなかでは、ICOM京都大会で最も感銘を受けた取り組みとして、和歌山県立和歌山工業高等高校、和歌山県立博物館、教育委員会、和歌山盲学校、和歌山大学、市町村関係者と連携協力し、3Dプリンターを使っての触って鑑賞できる文化財のレプリカ、触って読み解く図録などを、地域の課題の解決に取り組んでいく素晴らしい事例として紹介しました。
末松信介文部科学大臣は、文化財の盗難防止、防災対策上、和歌山県立博物館と県立和歌山工業高校と大学との3Dプリンターの取り組みは画期的とし、「地域の抱える課題の解消に取り組むまさに先進事例」と述べられ、さらに「文部科学省では、このような博物館を支援するため、令和4年度から新たに博物館機能強化推進事業を実施しています。中身は、地域課題に対応するための事業、二つ目、ネットワーク形成につながる広域的な課題に対応するための事業、三つ目は、外部資金の獲得です。今後とも、これらの事業を通じて、全国各地のより多くの博物館が地域社会の抱える課題の解決に取り組むことに積極的な支援を行ってまいりたいと思います」と答弁されました。
私からは、障害の有無にかかわらず、教育に関しても私は重大な場所であると思いますので、どうかしっかりとした支援をしていただきますよう強く要望しました。
これからも現場のお声をいただき、形にできるよう全力を尽くしてまいります。