かかと落としで健康に 松井さん運動推奨

海南市民の健康意識を高めたいと、同市の松井昭さん(77)は、高齢者でもできる簡単な運動、「かかと落とし」を広く勧めている。

同運動は、長野県の諏訪中央病院、鎌田實名誉院長が著書で紹介している運動で、広報かいなん2月号にも取り上げられた。テレビを見ながらCMの間や大相撲中継の仕切りの間など、わずかな時間で続けられる。

松井さんは「介護に頼る人をできるだけつくらないことが大事。同運動は筋力と骨が強くなり10年先も自分の足で歩け、認知症や寝たきり防止の一助になる」と話す。

松井さんは福岡県出身。自身の転勤で国内外での生活を経て、定年後は、長野県安曇野市のログハウスで暮らす。数年前に事故で首を損傷。まき割りなどができなくなってしまい、家族が住む場所に近い海南市に3年前に移住した。

長野県から移り驚いたことは、「介護保険料の支払額の高さ」だと話す。松井さんによると、長野県と比べ、海南市は月に1000円も高いという。さらに、和歌山県は健康寿命や高齢者要介護者認定比率が都道府県の中でワースト5位以内だという。

「健康寿命への意識が高い長野県に比べ、和歌山県は認識が低い。このままでは若い世代の負担が増え、社会保障費の支出の増大が深刻な問題になる」と危機感を募らせている。行政が積極的に指導し健康寿命の意識高揚を図っていくべきだと呼び掛け、同運動を高齢者施設などで広める活動している。

「かかと落とし」は、手すりなどをしっかり持ち、「12345、22345」のリズムに合わせ、1、2でつま先を上げ3、4で下ろしながらかかとを上げ、5でドスンと下ろす。海南市高齢介護課のユーチューブでも確認できる。松井さんは「ぜひ目標を持ち、生活に取り入れてみてほしい」と話している。

 

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