IR計画申請 臨時県議会質疑で賛否噴出
和歌山県議会臨時会は18日、県が誘致を目指す「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の区域整備計画の国への申請を巡り、本会議で6人が質疑を行った。不安視する声が根強い資金調達の確実性などを巡ってこの日も賛否両論が噴出し、仁坂吉伸知事は「十分国の審査に耐えられると思っている。チャレンジさせてもらいたい」と県議会の賛同を求めた。
県と事業者「クレアベストニームベンチャーズ(CNV)」は、初期投資の7割、約3250億円を調達する主幹事行である大手投資銀行「クレディ・スイス」から、資金調達への自信を示すハイリーコンフィデントレター(HCL)と呼ばれる文書を取得。この文書の信頼性に関する質問に県の田嶋久嗣IR担当理事は、「HCLは海外のIR事業では一般的」とし、「有力機関が発出し、資金力を裏付ける客観的な資料として評価されるものと考えている」と改めて従来の認識を示した。
もしCNVによる事業継続が困難になった場合の県の対応については、田嶋理事は新たな事業者を探して事業継続を目指すことを基本とし、もし施設の買い手が見つからない場合は、CNVに施設撤去の義務を負わせ、県が優先的に土地を買い戻すことができる措置を講じると答弁した。
賛成派から、参画する国内企業をさらに公表するよう求める質問もあり、田嶋理事は、施設運営の一部を担う企業として新たに、日本コンベンションサービス㈱、㈱KADOKAWA、楽天グループ㈱の3社を挙げた。
この他、ギャンブル依存症などの県民の不安に県が十分に答えていないとする意見、CNVが建設予定地の和歌山マリーナシティの地盤調査を行わずに概算費用を算出していることへの疑問などが相次いだ。
同計画の国への申請に必要な議決を求める議案はIR対策特別委員会に付託され、19日に審議が行われ、20日の本会議で採決される。