宇宙教育の推進で協定 県とスペースワン
和歌山県立串本古座高校(串本町)に公立高校では全国初となる宇宙教育専門コースが新設されるのを前に、県と県教育委員会は27日、東京都港区の宇宙事業会社「スペースワン」と同校での宇宙教育活動の推進に関する協定を締結した。同町に日本初の民間小型ロケット発射場を整備する同社と宇宙教育での連携を深め、人材育成の強化を目指す。
地元でロケット打ち上げが予定されている同校では、本年度から「総合的な探求の時間」の一環として宇宙教育を展開。さらに2024年度からは県内外から宇宙に関心を持つ生徒を募った宇宙教育専門の「宇宙探究コース」を新設する。今後、同社を含む有識者らと検討会を開き、特色あるカリキュラムを作り上げていく。
協定には、同社から同校に講師を派遣することや教職員を対象とした研修の支援、授業に必要な機器や設備のアドバイス、同町に整備したロケット発射場「スペースポート紀伊」の見学機会の提供などが盛り込まれている。
27日、県庁で行われた締結式には、仁坂吉伸知事と宮﨑泉教育長、同社からは豊田正和社長と阿部耕三取締役が出席。
仁坂知事は「機運も高まり、子どもたちの関心も高い。発射場がすぐそこにあり、実地教育ができるのは全国に対して、ものすごいメリットになる」と感謝し、豊田社長は「高校で学んだ生徒と一緒に仕事することを期待するとともに、世界に羽ばたいていただければ素晴らしい」と話した。
同社が同町に整備する民間小型ロケット発射場はすでに完成しており、年末までの打ち上げを予定しているという。