陸奥宗光の偉業次代へ 実行委が記念誌

和歌山市出身の元外務大臣、陸奥宗光(1844―97)の銅像が同市に建立されてから昨年で50周年を迎えたことを記念し、「陸奥宗光 外務大臣」の功績を教育に活かす実行委員会(立石誠一会長)は、これまでの同会の歩みをまとめた記念誌800冊を発刊した。

同誌の制作は同会の役員らが「結成5年を超え、記録に残るものを」との思いで昨秋にスタート。県内外の企業の協賛で完成した。表紙タイトルの一部には、1888年にメキシコとの間で締結した日本にとって初めての平等条約となる「日墨修好通商条約」での陸奥の署名の直筆を使用している。全カラー、112㌻(広告除く)。祝辞やメッセージをはじめ、同会のこれまでの活動を紹介する新聞記事や陸奥に関するエピソード、今後の展望などを掲載している。

同会の監査、宮本凱夫(よしお)さんは前日に刷り上ったばかりの記念誌を手に、「見た瞬間、素晴らしいと思った」と感激。「丸5年たち、長いようであっという間だった」とこれまでの活動を振り返り、「続けてきてこういう形になったので、これを機会に外交の礎を築いた偉人が県にいることを誇りに思ってほしい」と話した。

同誌は外務省内の外交資料館をはじめ、国会図書館や56ある県内全ての公立図書館、図書室、県を含む各市町村や教育委員会などに寄贈するとし、副会長の臼井康浩さんは「未来を担う子どもたちに活用いただきたい」と願っている。

また、「近代日本をつくった英雄が県から出たという誇りを、次世代の県民に伝えていきたい」と次なる100周年に向け、気持ちを新たにしていた。

記念誌を手に委員会の皆さん

記念誌を手に委員会の皆さん