大規模イベント自粛を 感染急拡大で知事
和歌山県が22日に発表した県内の新型コロナウイルス新規感染者は1185人で、2日続けて1000人を超え、前週の同じ金曜に比べて553人増えた。急速な感染拡大を受け、仁坂吉伸知事は「大規模イベントの開催、参加は慎重に考えてもらいたい」と自粛を呼び掛けた。
1185人の保健所管内別内訳は、和歌山市716人、海南45人、岩出72人、橋本82人、湯浅74人、御坊52人、田辺84人、新宮55人、県外5人。田辺は過去最多だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比59・9人増の605・1人で、過去最多を更新。保健所別でも、和歌山市、海南、岩出、湯浅、田辺、新宮が過去最多となった。
仁坂知事は、急激な感染者の増加により保健所や医療現場で手が回らず、対応が滞っているとし、決定的な打開策がないのが現状との認識を示した上で、多くの参加者が声を出すなど感染リスクの高い大規模イベントの自粛を求めた。
人数の目安に関しては、現場の対応によってリスクが変わるとして、「何人までとはなかなか言えない」と述べた。
新規クラスター(感染者集団)は5件を認定。場所と感染者数は、498例目が和歌山市の通所介護事業所で利用者3人と職員3人、499例目が同市のサービス付き高齢者向け住宅で入居者3人とデイサービス利用者2人、職員3人、500例目も同市のサービス付き高齢者向け住宅で入居者7人、501例目は海南管内の特別養護老人ホームで入居者5人と職員4人、502例目は県内の大学で運動部の学生23人となっている。
県内の感染者は累計5万5920人。入院者数は326人、重症者は県基準で22人、国基準の該当者はなく、肺炎患者は46人。病床使用率は61・6%。自宅やホテルでの療養者は4990人。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、県民一人ひとりの感染予防対策が重要と強調。子どもの感染例の増加、発熱外来の逼迫(ひっぱく)がみられることから、子どもがいる家庭に対し、すぐに受診できない場合に備え、解熱剤などを用意することを勧めた。